PMOはやめとけ?ならない方が良い?と言われる理由と対策7選

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、企業や組織においてプロジェクトを管理・監督する人・部門です。PMOは、プロジェクトの成功をサポートし、プロジェクトマネージャーが効率的に仕事を進めるために必要不可欠な役割になります。

PMOの主な役割

  • プロジェクトの標準化:PMOはプロジェクトの標準的な手順や方法を確立し、それを組織全体で適用します。これにより、プロジェクトの一貫性が保たれます。
  • 進捗管理とリスク管理:PMOはプロジェクトの進捗状況を監視し、問題が発生した際には早期に対応します。また、リスク管理の計画を立て、予期せぬトラブルに備えます。
  • プロジェクトマネージャーのサポート:PMOはプロジェクトマネージャーに対してサポートを提供し、必要なリソースや情報を提供します。
  • 経営陣への報告:PMOはプロジェクトの進捗や結果を経営陣に報告し、フィードバックを受けることでプロジェクトの改善に努めます。

PMOはこのように、プロジェクトの円滑な運営をサポートする重要な役割を担っています。一方で、キャリアとしてみると「PMOはやめておいた方が良い」、「PMOにはならない方が良い」、「PMOになりたくない」などネガティブな意見も多いです。本記事では、どうしてそうしたネガティブな意見が多いのか、そしてどうすればPMOというキャリアで成功できるのか、をまとめています。

僕がコンサルティングファームにいた頃も、新入社員がPMOになりたくないと言っている声をよく耳にしました。

本記事では、キャリアとしてのPMOについて記載しています。もし」PMOを導入するか迷っていて、「PMOの導入はやめた方が良い」という意見に迷っている方は下記の記事を参考にしてみてください!

この記事の要約

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、プロジェクトの管理や監督を行い、プロジェクトの成功を支援する重要な役割を担っています。しかし、その業務の特性から、新卒コンサルタントにとっては「ハズレ」と感じられることもあります。単調なルーチンワークや成長の停滞感がその原因です。

一方で、PMOはプロジェクト全体を理解し、クライアントとのコミュニケーションスキルやプロジェクト管理手法を学ぶ絶好の機会でもあります。これらのスキルは、将来的にプロジェクトマネージャーやフリーランスとしてのキャリアを築く際に非常に役立ちます。

PMOで成功するためには、積極的にプロジェクトに関わり、コミュニケーションスキルを強化し、効率的な時間管理を行うことが必要です。また、継続的な学習とネットワーキングを通じて、自分のスキルを高め、次のキャリアステップに備えることが重要です。

PMOがキャリアとして敬遠される理由

PMOはキャリアとして魅力的に見える一方で、いくつかの理由から敬遠されることもあります。特に新卒のコンサルタントにとっては、期待とは異なる現実に直面することが少なくありません。

新卒コンサルタントが感じるハズレ感

新卒コンサルタントがPMO案件にアサインされると、以下の理由から「ハズレ」と感じることが多いです。

ルーチンワークの多さ

PMOの業務は標準化された手順に従うことが多く、日々の作業が単調に感じられることがあります。単純な会議の調整や、備品などの管理、タスク管理などを、ともすれば誰でもできるのではないか、と感じてしまう業務が多いのは事実です。

成長の停滞

プロジェクトの管理や報告業務が中心であるため、専門的なスキルの習得が難しいと感じることがあります。コンサルティング業務をバリバリこなしたい、と思っていた人からすると、「成長できない気がする」という理由で別のプロジェクトに行きたいと感じることが多いです。

これらの理由から、新卒コンサルタントはPMOの業務に対して不満を抱くことがあるのです。

僕も新人PMOの頃は毎日議事録を何本も書いており、「いつまでこれが続くんだろう…?」と思うことも多かったです。

PMOのポジティブな側面とスキルアップのチャンス

一方で、PMOの業務には多くのポジティブな側面もあります。しっかりと向き合うことで、非常に多くのスキルを身につけることができます。

プロジェクトの全体像を理解する重要性

PMOはプロジェクト全体を見渡す立場にあるため、プロジェクトの全体像を把握することができます。これにより、プロジェクトがどのように進行し、どのような問題が発生するのかを理解することができます。特に、近年は戦略系のコンサルティングファームであってもシステム開発やDXのような所謂SI案件が増えてきています。SI案件は大規模かつ長期的な案件になることも多く、そうしたプロジェクトを円滑に進められるスキルは今後間違いなく需要が高まります。

結果として、PMOとして業務経験を積むことで、以下のようなスキルを身につけることができます。

クライアントコミュニケーションのスキル

PMOはクライアントとのコミュニケーションを頻繁に行うため、クライアントとの信頼関係を築くスキルが身につきます。コミュニケーションスキルは簡単に思われがちですが、実が非常に高度なスキルです。クライアントとのコミュニケーションでスキルを鍛えることで、クライアントのニーズを的確に理解し、適切に伝える力が身につきます。

プロジェクト管理手法の学習

PMOはプロジェクトの管理手法を学ぶ絶好の機会です。プロジェクトを効率的に管理するには、ガントチャートやWBS(作業分解図)など、様々なツールを使いこなすことが必要です。PMOとして仕事をすることで、こうしたツールの使い方を自然と学ぶことができ、プロジェクトを効率的に管理ができるようになります。

資料作成スキル

クライアント向けの報告資料や進捗管理資料などPMOとして様々な資料を作成する経験を積むことが出来ます。資料作成スキルは非常に高度なスキルかつポータブルスキルなので、どんなプロジェクトにおいても生かすことが出来ますし、仮に将来的に転職や独立をした際に大いに活用することが可能です。

PMOで成功するための7つの対策

非常に魅力的なキャリアパスを持つPMOですが、しっかりと成功するためには、スキルを身に着けて実際に業務で活躍することが必要です。具体的には、以下のような対策を講じることが良いです。

積極的にプロジェクトに関わる姿勢

常に積極的にプロジェクトに関わり、問題解決に取り組む姿勢を持つことが大切です。

コミュニケーションスキルの強化

クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを図るために、コミュニケーションスキルを磨くことが必要です。

効率的な時間管理と優先順位付け

タスクの優先順位を適切に設定し、効率的に時間を管理することで、業務の質を向上させることができます。

継続的な学習とスキルアップ

プロジェクト管理の手法や新しいツールを学び続けることで、常に最新のスキルを身につけることができます。どんなスキルを学んだら良いか分からない、という人はぜひPMPの取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ネットワーキングと人脈の構築

業界内外でのネットワーキングを積極的に行い、人脈を広げることで、より多くの情報や支援を得ることができます。例えば、こくちーずなどのサイトを使ってイベントを探すと、毎日のように様々な交流会が開かれています。ぜひ、積極的に参加して、人脈形成をしてみることをお勧めします。

フィードバックの受け入れと改善

他人からのフィードバックを積極的に受け入れ、自分の業務を改善していく姿勢が重要です。特に、身近な先輩や上司がいる方はぜひ積極的にフィードバックを受けてみましょう。自分だけでは気付かない、様々な点を指摘してくれるはずです。

健康管理とストレス対策

長時間の業務やプレッシャーに耐えるために、健康管理とストレス対策をしっかり行うことが必要です。睡眠の質を改善したり、定期的に運動するなど万全の状態で業務を行えるよう健康管理をしっかり行いましょう。

PMOのキャリアパスと将来性

PMOの経験を積むことで、将来的にはさまざまなキャリアパスが開けてきます。具体的には以下のような進路が考えられます。

PMOリードとしてプロジェクト推進のスペシャリストを目指す

昨今のシステム開発は複雑性が増しており、まだ世の中の変化も早く、適切なプロジェクトマネジメントスキルを持った人材は非常に重宝されます。PMOとして、プロジェクトマネジメントのスペシャリストとしての道を進むことが考えられます。

PMとしてのステップアップ

PMOでの経験を積むことで、将来的にはプロジェクトマネージャー(PM)として活躍することが可能です。PMはプロジェクトの全責任を負う立場であり、非常にやりがいのある仕事です。また、年収という観点でも非常に魅力的です。プロジェクトマネジメントのスキルを基に、PMとして活躍することもキャリアパスの1つです。

プロダクトマネージャーとしてプロダクトの開発に関わる

プロジェクトマネージャーではなく、プロダクトマネージャー(PdM)としてよりプロダクトに近い目線で活躍するというキャリアも考えられます。例えば、WEBサービスを展開しているベンチャー企業などに転職して、プロダクトに責任を持つ立場として活躍することも非常に魅力的なキャリアとして考えられます。

フリーランスとしての高単価のチャンス

PMOやPMのスキルを身につけた後、フリーランスとして働く選択肢もあります。フリーランスのPMOやPMは、高単価の案件を受けることができるため、月に150万円以上の収入を得ることも可能です。研修やスキルのシェアなどは企業に在籍している時よりも少なくなるため、個人でのキャッチアップが必要ですが、しっかりと知識をアップデートしつつ活躍することが出来れば、会社員よりも多くの収入を得ることが出来ます。

転職活動の際の具体的なアピールポイント

もし、現状のPMO業務を離れて別の業務をしたい場合、転職をすることも一つの可能性として視野に入れると良いです。その場合は以下のような点をアピールできるよう、日々の業務で意識すると良いでしょう。

具体的なプロジェクトの成果

例えば、プロジェクトの進行をスムーズにするために行った工夫や改善策、達成した成果を具体的に説明します。特に、PMO業務を行う上で最も効果のあった施策や、仕組化は何か、という質問を転職面談ではされるケースが多いです。具体的なエピソードを数字などを交えて話せるように日頃から整理しておくと良いでしょう。

学んだスキルと知識

プロジェクト管理手法やツールの使い方、クライアントとのコミュニケーション方法など、PMOで得たスキルと知識を詳しく説明できるようにしておくことも重要です。特にPMBOKやアジャイル開発手法など、最新のプロジェクトマネジメントスキルを踏まえた開発方法論を語れるようになることが重要です。

リーダーシップとチームワーク

チームの一員としてどのように貢献したか、リーダーシップを発揮してどのようにプロジェクトを成功に導いたかを具体的に説明します。特に、何人くらいのメンバーをマネジメントしていたのか、は非常に重要な指標になります。ぜひ積極的にリーダーポジションで仕事をしていきましょう。

問題解決能力

プロジェクト中に発生した問題やリスクにどのように対処したか、具体的なエピソードを交えて説明します。例えば、営業部門とシステム部門の対立をどのように解消したのかや、エンジニアチームの開発効率が上がらなかった時にどのようにコミュニケーションを取って開発効率を上げたのか、などが語れると良いでしょう。

PMOから次のステップへの具体的な進め方

PMOから次のキャリアを進めるには以下のようなことを始めると良いです。

キャリアプランの策定

自分のキャリアゴールを明確にし、それに向けてPMOでの経験をどう活かすかを考えます。例えば、単純に大きく稼ぐことが出来ればどんな仕事でもいいのか、それとも大きな企業で責任者として働きたいのか、楽しさややりがいを追求したいのか、などどういったことが実現できれば嬉しいのかを一度整理してみましょう。

専門知識の深化

PMOの経験を土台にして、さらに専門的な知識を深めるための学習を続けます。

ネットワーキングの活用

業界内外のネットワークを活用し、新しいキャリアチャンスを探ります。

資格取得

PMP(Project Management Professional)など、プロジェクト管理に関する資格を取得することで、転職市場での競争力を高めます。

まとめ

PMOはやめとけ?ならない方が良い?と言われる理由と対策7選について解説してきました。PMOは、確かにキャリアとして敬遠されることもありますが、一方で非常に多くのスキルと経験を積むことができる魅力的なポジションでもあります。プロジェクトの全体像を理解し、クライアントとのコミュニケーション能力を高めることができるため、しっかりと向き合えば大きな成長が期待できます。

また、PMOの経験を活かしてプロジェクトマネージャーやフリーランスとしての高単価案件に挑戦することも可能です。PMOで成功するためには、積極的にプロジェクトに関わり、コミュニケーションスキルを磨き、効率的な時間管理を行うことが重要です。さらに、継続的な学習とネットワーキングを通じて、次のキャリアステップに進むための準備を整えましょう。

PMOでの経験を最大限に活かし、自分自身のキャリアを築いていくことが大切です。このガイドが、PMOとしてのキャリアを考える際の一助となれば幸いです。

個人的に、PMOはこれから重要性がさらに増していく重要な職種だと考えていますし、非常に楽しい職業だと断言することが出来ます。ぜひ、周りのネガティブな意見に惑わされずに、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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