兼任メンバーの工数配分|キャパシティ計画で予定の二重取りを防ぐ

予定表には空きがあるのに、担当者は「今週はできない」と言う。兼任のチームでは、その人が別の業務で使う時間や、特定の役割しかできない仕事が見えていないことがあります。キャパシティ計画では、必要な仕事量と実際に使える作業枠を照合します。
以下は役割ごとの配分を考える説明用の例です。個人の評価や残業の推奨を目的とせず、予定の二重取りと役割の不足を見つけるための一般解説です。
頭数ではなく、役割と使える時間で見る
三人いれば、すべての仕事を三人で分担できるわけではありません。業務判断、技術レビュー、運用引き受けなどは、権限や経験が必要です。まず仕事に必要な役割を並べ、その役割を担う人がいつ使えるかを確認します。
「稼働50%」という比率だけでも不足します。午前だけ使えるのか、週の特定日に使えるのかで、会議や受け渡しの日程が変わるからです。とくに短期の作業は、時間数と対応可能な日時を一緒に見ます。
週の作業枠を、既存業務から差し引く
説明用に週40時間の勤務枠を置きます。この値は標準稼働の提案ではありません。実際は勤務条件・休日・休暇・所属先のルールに合わせてください。
| 役割 | 週の枠 | 既存業務等 | 今回に使える枠 | 今回の必要量 |
|---|---|---|---|---|
| 開発担当 | 40時間 | 既存対応20、会議8、その他4 | 8時間 | 設定・確認12時間 |
| 業務確認者 | 40時間 | 日常業務30、会議6 | 4時間 | 要件確認4時間 |
| 技術確認者 | 40時間 | 別案件32、会議4 | 4時間 | レビュー6時間 |
この例では、チーム全体の合計に空きがあっても、開発と技術確認の枠が不足します。別の人の空きを、そのまま不足分へ足すことはできません。仕事を移せるか、判断権限を持つか、説明時間が必要かを確認します。
会議8時間に準備・記録が含まれていないなら、その作業も計上します。表へ入れる場所を統一し、同じ会議準備を「既存業務」と「今回の必要量」の両方で引かないようにします。
不足が出たら、四つの調整案を比べる
第一は、優先度の低い仕事を移動または停止できるかです。既存の約束があるので、担当者へ一方的に取消しを求めず、仕事を依頼した責任者と調整します。
第二は、今回の範囲を減らせるかです。必須の確認や安全条件を削るのではなく、任意の機能や後でよい作業を分離します。第三は、対応可能な人へ仕事を移せるかです。引き継ぎやレビューの増加まで見積もります。第四は、納期を調整できるかです。どの後続作業や外部予定に影響するかを示します。
どの案でも「担当が頑張る」を条件にしないことが大切です。実行可能な時間と作業順序を合意し、追加依頼が来たときに何を入れ替えるかを決めます。
不確実な仕事には、確定した枠と分けた表示を
障害対応や問い合わせが多いチームでは、予定外の仕事が発生します。余裕を何%にすべきかは、一律には決められません。過去の実績や仕事の特性を参考に、責任者と扱いを決めます。
「予約済み」「仮押さえ」「対応余地」の区別も役立ちます。仮押さえを確定と同じ扱いにすると、依頼者がその時間を当然使えると思ってしまいます。確定に必要な判断と期限を残してください。
計画を更新するときは、予定外の仕事を個人の不備に直結させず、どの種類の仕事が何時間入り、何と入れ替わったかを確認します。報告用の数値を細かく集めすぎて、本来の作業を減らさないようにします。
調整依頼を具体的にする
今週の開発枠は8時間、今回の必要量は12時間です。
同じ担当者の作業が4時間分重なっています。
任意の案内画面を次週へ移す案と、既存対応の順序を変える案を比較したいです。
技術レビューも2時間不足するため、確認日時の調整が必要です。
個人名を並べた忙しさランキングではなく、役割の不足と調整案を示す表にします。初回は一週間分だけでも十分です。合意した枠と実績の差を見て、仕事量の見積もりが違ったのか、枠が変更されたのかを切り分け、次の配分へ反映します。
次に確認したい実務ガイド
PMO実務テンプレート・確認表の一覧から、目的に合う記事を探せます。
参考情報とこの記事の位置づけ
仕事量・稼働可能時間・スキルを照合する考え方を確認しました。時間配分は説明用です。 Atlassian:Capacity Planning(確認日:2026年10月11日)。記入例・確認表は当サイトが説明用に作成したもので、実在の案件・実績ではありません。
週次報告書の書き方も必要な作業に合わせて参照してください。
アイキャッチ写真:2H Media / Unsplash。職場の実写ではなくイメージ写真です。
